技術情報-TCG(トロコイドカムギヤ)

歯車との比較、歯車での問題点

ラックアンドピニオンとは

ラックアンドピニオンとは歯車の⼀種で回転力を直線の動きに変換し、ピニオンとよばれる小口径の円形歯車と平板状の棒に歯切りをしたラックを組み合わせたものです。ピニオンに回転力を加えるとラックが歯すじ設定された末端まで水平方向に動きます。

従来のラック&ピニオンはインボリュート歯形が用いられます。この為、バックラッシは噛み合いの必要条件として設計段階から設定されていますが、バックラッシは停止精度誤差を発生させるため精密機械においては装置の設計上忌避されます。

またバックラッシがあることにより歯と歯が噛合う際に騒音や振動を発生させ、噛合い部歯面において滑りも発生しますので早期摩耗の原因となります。

  • バックラッシ(停止精度の悪化)
  • 歯打ちによる騒音・振動
  • 噛合い部の摩耗・発塵
バックラッシの説明図

TCG-トロコイドカムギヤとは

直線状にトロコイド歯形を配置した高性能ラックまたは曲線状に配置した高性能リングと歯面との転がり接触となるローラピンを設けたピニオンを組み合わせることにより、完全転がりによる回転‐直線運動を実現しています。

ノンバックラッシで高精度な位置決めと軽快な運動性能を可能にします。

TCG-トロコイドカムギヤ
TCG-トロコイドカムギヤ

TCG-ローラピニオンの構造

TCGローラピニオンはローラをニードルベアリングで両支持することにより、スムーズな転動を行う構造となっております。

またベアリング内にはグリースが封入されておりますのでお客様でのグリースメンテナンスは不要です。

ローラピニオンへのシャフトの締結方法は付属締結具の締付による摩擦締結となっており、締結部のバックラッシは発生しません。

ローラピニオンの構造図

TCG-トロコイドカムギヤの基本原理

サイクロイド曲線の創成

サイクロイド曲線の創成

平面上を円が転がる時に、ある一点(P点)が描く曲線が「サイクロイド曲線」です。

理論歯形の創成

理論歯形の創成

P点を円上に規則的に複数配置すると、平面上には規則的な「サイクロイド曲線」及び「歯型」が形成されます。

基本歯形の創成

基本歯形の成形

P点をローラピンに置き換えた軌跡の歯形がTCGの基本歯形となります。

TCG-トロコイドカムギヤの特徴・メリット

ノンバックラッシ

常時ローラピニオンが歯に対して2~3カ所接触している状態なので、正逆方向にバックラッシが発生しません。

更にローラピニオンのローラは単独で回転する機構のため予圧をかける(ピニオンをラック/リングに押さえつける)ことができ、バックラッシ(隙間)が無い状態でも円滑に動作します。

噛み合い部
噛み合い部

高精度

送り精度(回転一直線比)と位置決め精度は精密ボールねじに迫ります。(C5~C7級程)

TCGのノンバックラッシ・精密動作はロボット・ローダ搬送や加工機械等の高精度を要求される様々な用途で採用されています。

項目/型式 1010~4012
精密級 並級
伝達精度(注1)μm ±30 ±50
繰返し位置決め精度(注1)μm 10 20

注1:弊社規定取付条件にて、組立時、測定温度20℃の場合の数値となります。
取付構成、取付精度、温度などにより影響を受けます。

低騒音

トロコイド歯車上をベアリングで支持されたローラが円滑に転動します。
その為、耳障りな歯打ち音や転走音が発生しません。従って振動も少なくなります。

低発塵

円滑な転がり接触と回転部が小径低速の為、低摩耗で発塵が微少です。
クリーンルームでの使用実績もあります。

給油不要

初回のグリース塗布のみで定格寿命までメンテナンスフリーを実現。※弊社評価試験により実証済み。

クリーンルーム
クリーンルーム

長尺・高速化を実現-カムラック

長尺対応

継足し治具を使い長尺が可能。最長74mの実績もあります。

⾼速駆動

180m/min以上の高速走行も可能です。

カムラックとローラピニオン付ボール減速機の組み合わせ
カムラックとローラピニオン付ボール減速機の組み合わせ

分割リング、大口径・中空形状を実現-カムリング

精密マシニング加工により分割リングを実現しました。
必要な角度のみの使用や、分割リングを組み合わせる事により数十メートルサイズの大口径・中空リングが使用できます。

大口径のノンバックラッシリングギヤ
分割により大口径のノンバックラッシリングギヤも実現

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